白く濁った日本酒を見ると、
「にごり酒」と「どぶろく」は同じように思えるかもしれません。
しかし、実はこの2つには、
造り方と酒税法上の分類に大きな違いがあります。
日本酒は、発酵を終えた 醪(もろみ)を搾り、
液体と酒粕などの固形分に分ける
「上槽(じょうそう)」という工程を経て造られます。
このとき、醪を完全に透明になるまで濾すのではなく、粗い目の特別なザルや袋などを使って濾すと、醪の中に残っている溶けきらなかった米や米麹などの細かな固形分が酒の中に残ります。
そのため、白く濁った状態になります。これが「にごり酒」です。
つまり にごり酒は、
醪を濾す「上槽」という工程を経ているため、酒税法上は「清酒」に分類されます。
一方、「どぶろく」は
基本的に醪を濾して固形分と液体を分離する工程を行わない酒です。
そのため、一般的な日本酒とは異なり、
酒税法上の「清酒」には分類されず、「その他の醸造酒」に分類されます。
「にごり酒」と「どぶろく」の違い
簡単に整理すると、
- にごり酒:醪を濾している → 清酒
- どぶろく:醪を濾していない → 清酒ではない
という違いがあります。
見た目はよく似ていますが、
実は「濾しているか、濾していないか」が大きな違いなのです。
日本初の「にごり酒」は京都・伏見から
そんな「にごり酒」の歴史を語るうえで、忘れてはならないのが京都・伏見です。
1964年、京都・伏見の増田德兵衞商店で、日本で初めての本格的な「にごり酒」が誕生しました。
当時の当主が、酒造研究者として知られる坂口謹一郎氏の勧めを受けて造ったのが、
「元祖にごり酒 月の桂 大極上中汲にごり酒」です。
発酵途中の醪を使うことで、酵母が生み出す炭酸ガスが残り、
グラスに注ぐとシュワシュワとした泡が立つ、独特の味わいが生まれました。
その爽やかな泡立ちから、まさに「米のスパークリング」ともいえる酒として親しまれています。
フルーティーな香り、爽やかな酸味、そして心地よい泡の喉越し。
日本酒でありながらスパークリングワインのような楽しさも持つ「にごり酒」は、現在でも多くの日本酒ファンを魅了しています。
「濁っているから、どぶろく」ではありません。
同じように白く濁った酒でも、造り方によって分類が変わります。
ラベルを見るときには、
「にごり酒なのか、どぶろくなのか」
という違いにも注目してみてください。
・・・乾杯!

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