「ひや」は冷たいお酒ではない?
「ひや」と聞くと「冷やした日本酒」を想像する方も多いのではないでしょうか。
実は、日本酒の世界でいう「ひや」は、基本的に温めても冷やしてもいない常温の日本酒を指します。
冷蔵庫が一般的ではなかった昔は、日本酒を温めて飲む「燗酒」が広く親しまれていました。その一方で、温めずにそのまま飲む酒を「ひや」と呼んだのです。
現在では冷蔵管理された日本酒を冷やして飲む機会が増えたため、「冷酒(れいしゅ)」という言葉も一般的になりました。
つまり、
ひや=常温
冷酒=冷やした日本酒
という違いがあります。
江戸時代の儒学者・貝原益軒が著した『養生訓』にも、酒の温度についての記述が見られます。当時から、酒をどのような温度で楽しむかは、暮らしや健康と結びついた関心事だったことがうかがえます。
「親父の小言と冷酒は後で効く」という有名な言葉もあります。
昔の人々にとって酒は、単に酔うためのものではなく、飲み方そのものにも知恵があったのでしょう。

コメント